福岡地方裁判所 昭和60年(わ)1773号 判決
主文
被告人丙を懲役一年に、被告人丁を懲役一年二月に、各処する。
被告人丙に対し、未決勾留日数中六〇日をその刑に算入する。
被告人両名に対し、この裁判確定の日から三年間、それぞれその刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人両名は、戍他一名と共謀のうえ、九州電力株式会社(以下九州電力という)から電気の供給を受けている福岡市○○区○○×丁目×番×号パチンコ店○○ことA方店舗内に九州電力が使用量を計量するため設置している電力量計の作動を減速させ、九州電力の右Aに対する正当な電気料金の計算徴収業務を妨害しようと企て、昭和五九年一一月中旬ころ、右A方店舗において、同所に設置されていた九州電力の電力量計を収納している計器ボックスを開け、電力量計内の計器円板の軸を支えている軸受筒の中に、長さ一・五センチメートルのゴム様異物を挿入して円板軸との接触抵抗を増加させ、円板の回転速度を減速させて実際の使用電力量より少ない電力量を指示するような工作をなし、もつて偽計を用いて九州電力の右Aに対する正当な電気料金の計算徴収業務を妨害したものである。
(証拠の標目)〈省略〉
(法令の適用)
被告人両名の判示各所為
刑法二三三条、六〇条、罰金等臨時措置法三条一項一号
刑種の選択
いずれも懲役刑選択
未決勾留日数の算入
刑法二一条(被告人丙につき)
執行猶予
刑法二五条一項(被告人両名につき)
訴訟費用
刑事訴訟法一八一条一項但書(被告人丙につき不負担)
よつて、主文のとおり判決する。
(裁判官池田耕平)